気恥ずかしさからか、悪化するまで放置される方も多い「そけいヘルニア」。お薬では治すことができないので、完治には手術が必要です。放置すればするほど悪化の一途をたどる病気なので早めの診察が大切です。
「脱腸」とも呼ばれる良性の病気です。足の付け根(鼠径部)の組織の弱くなったところから、本来おなかの中にあるべき腸の一部や腹膜が袋状に脱出してしまい、足の付け根が腫れ上がる状態です。子どもに多い病気ではありますが、高齢化に伴い成人にも非常に多く発症しています。
▌種類について
ヘルニアには3つの種類があります。
初期段階では、立ち上がった時やそけい部にこぶのような膨らみがみられます。触ると柔らかく指で押さえると引っ込み痛みもないため、違和感は少ないです。
しかし、症状が悪化すると膨らみが硬くなり非常に激しい痛みがでて、嘔吐をすることもあり、また、日常生活に支障が出てきます。
このまま放置しておくと、「かん頓状態」になってしまう危険性があり、飛び出た腸が指で押しても戻らなくなり壊死してしまいます。普段より2~3倍の大きさになります。腸閉塞や腸の切除、命に関わる場合もあるので、早めに受診することが必要です。
手術は組織の弱い部分を糸で縫ったり、ポリプロピレン製の医療用メッシュで補強します。従来は皮膚を10㎝弱切開して手術をしていましたが、
当院では腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、身体に優しい手術を目指しています。
年 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
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腹腔鏡 | 20 | 43 | 72 | 77 | 81 | 86 |
従来法 | 10 | 2 | 0 | 3 | 0 | 0 |