デスクワーク中心で外食が多く便秘がちで運動不足。そんな現代人の2人に1人が患っているという国民病が「痔」。しかし、「たかが痔」と軽視して、医師の診断を受けない方が多いのが現実です。放置しておくと重症化したり、また別の病気で発見が遅れたりすることもあります。自己判断はしないで、「おかしいな」と感じたら、専門医を受診することをおすすめします。
痔は図のように① 内痔核 ② 外痔核③ 痔ろう(あな痔)④ 裂肛(きれ痔)と分けられます。①と②は合わせて痔核(いぼ痔)と呼ばれ、男女ともにもっとも多く、出血や脱肛といった症状が多く認められます。
痔ろうは男性に多く、肛門の周りに膿のトンネルができ、しこりや膿が出ることによって気づかれることが多い病気です。一方、女性に多いのが裂肛であり、排便時に肛門が裂けて、主に痛みと出血が出現します。
排便に伴う出血や肛門の周囲の痛みの原因が、直腸やS状結腸にできた大腸がんの場合もあるため、注意が必要です。肛門の病気は恥ずかしいためか、受診が遅くなりがちですが、大腸がん等の重大な病気の発見が遅れたりすることもあります。気になる症状のある時には、自己判断をせずに専門医を受診しましょう。
大腸がん等の重大な病気も早期に発見し治療すれば、十分に治すことが可能です。
当院では、診察室は全て個室で、女性医師の対応もいたしておりますので、安心して受診して下さい。
検査方法は、便潜血検査、バリウム注腸検査等がありますが、最も確実なのは、大腸内視鏡検査です。当院では、殆ど痛みを感じない 無痛内視鏡検査を行っています。少しでも気になる症状がある方は、安心してご相談ください。
▍大腸ポリープ
大腸の粘膜の一部が隆起する病気。「がん」になることもあります。
症状でもっとも多いのは、血便です。
▍潰瘍性大腸炎・クローン病
大腸の粘膜に潰瘍やビランが多発して生じる病気。
主な症状は腹痛や下痢、発熱などで、20代~30代の若い人の発症が多くみられます。
▍ スキンタグ(皮膚痔) 肛門周辺の腫れがひいた後に出来る「たるみ」のことです。
▍ 大腸憩室 大腸の内圧が高まって、腸の外側に袋状に脱出する病気。出血、腹痛等を生じることがあります。
年 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
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痔核 | 116 | 148 | 153 | 142 | 218 | 241 |
痔瘻 | 37 | 46 | 51 | 62 | 93 | 94 |
裂肛 | 4 | 3 | 4 | 12 | 9 | 11 |
直腸脱 | 6 | 5 | 7 | 9 | 8 | 9 |